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新脱亜論 [ 渡辺利夫 ]のレビューは!?
50代 男性さん
経済学者で拓大学長の著者による、今後に日本のあるべき海洋国家としての、明治以降の歴史を振り返り、新たな視野を論じた、あえて名著といいたい新書である。
年齢不詳さん
日清・日露戦争の前後の日本の情勢を中心に書かれています。小国ニッポンが、白人国家をバタバタと倒し、侵略したことに対して、アメリカと連は猜疑心と嫉妬心にえ・・・。あくまでも自分たちを越えて覇権国家となる国の発展を「許さない」といった、昔と変わらぬ思い上がったアメリカの「本性」が分かる一冊でもあります。 「なぜ日本はこうなってしまったのか」という反省を盛り込み、今後の日本の外交のあり方を検証しています。まだ刊行から1年足らずの2008年の刊行なので、現在の日本の状況を把握しながら読み進めることができます。中でも「20世紀前半の日本を取り巻く状況と、現在の日本の状況は非常に似ている。異なるのは、昔は政治家と外交家が日本の自主独立を守る気概があったのに比べて、今はその気概がまったくない」という叱責には、まったく同感です。また、現在の首相が熱っぽく提唱している「東アジア共同体」なるものの危険性も、根深く評論しながら、警告を発しています。 過去に日本が巻き込まれた陰謀による失敗から、現代の政治家は反省を込めて学ばなくてはならないのに、反省どころか過去よりも劣悪な状況に日本を破壊している今、この本を読むことによって、ネット上の安直な政治論議や、工作員に惑わされないよう、心の鍛錬をしておきたいものです。